【2】組織変更


(1)会社の組織変更とは?


これまでは、組織変更の認められる範囲は、

 

①「株式会社」を「有限会社」に組織変更する場合

 

②「有限会社」を「株式会社」に組織変更する場合

 

③「合名会社」を「合資会社」に組織変更する場合

 

④「合資会社」を「合名会社」に組織変更する場合

 

の4つのに限定されていました。

 

合資会社・合資会社を株式会社にするためには、合名会社・合資会社を解散し、改めて設立した株式会社が営業を譲り受けるという方法をとる必要がありました。

 

新会社法では、合名会社、合資会社及び合同会社から株式会社への組織変更が認められ、必要に応じて簡単に株式会社へ移行することができるようになります。

 

★合同会社から株式会社への組織変更も可能です。

 


(2)特例有限会社から株式会社へ移行(組織変更)するには


特例有限会社とは・・・

会社法の施行時に既に設立されている有限会社、すなわち有限会社法上の有限会社(旧有限会社)は、会社法施行後は、会社法上の株式会社として存続することになります(この会社を特例有限会社といいます)。

 

特例有限会社から通常の株式会社へ移行するには次の手続が必要です。

 

①商号を「株式会社」の文字を用いたものに変更する旨の定款変更の株主総会決議

 

②特例有限会社についての解散の登記及び商号変更後の株式会社についての設立の登記

 


(3)組織変更のメリットとデメリット


■特例有限会社から株式譲渡制限会社に移行した場合のメリットとして次のものが考えられます。

 

(1)商号に株式会社を使えるようになります。

 

(2)対外的信頼性の向上が期待できます。

 

(3)取締役会、会計参与、会計監査人を設置できるようになるなど、機関設計に柔軟に対応できます。

 

(4)株式の譲渡制限に関する定款の定めを廃止することにより、公開会社になることが可能です。

 

■デメリットとして次のものが考えられます。

 

(1)取締役、監査役の任期が法定されます。

 

(2)決算公告が必要がになります。

 

(3)商号変更に伴うコスト(名刺・看板・ハンコの変更費用など)が必要です。

 

(4)休眠会社のみなし解散の規定が適用されます。

 

(5)附属明細書の作成が義務付けられます。

 


(4)特例有限会社から株式会社への組織変更


■特例有限会社から株式会社への移行手続の概要

 

●株主総会の招集を通知します。

●株主総会で、移行後の商号の決議、移行後の株式会社の定款の承認、役員の選任等を行います。

※組織変更の場合は、定款を作成する必要はありますが、公証人の認証を受ける必要はありません。

●管轄の登記所で、特例有限会社の解散の登記の申請及び株式会社の設立の登記の申請を同時に行います。

●諸官庁への届出を行います(税務署、都道府県税事務所、市町村役場、公共職業安定所、社会保険事務所)。

 

■特例有限会社から株式会社への移行の登記申請手続

 

・商号変更の効力発生時期

特例有限会社から株式会社へ移行するための変更の効力は、特例有限会社解散の登記と株式会社設立の登記を行ったときに生じます。

 

・登記の申請期間

特例有限会社が商号の変更の決議をしたときは、本店所在地では2週間以内に、特例有限会社の解散の登記の申請及び株式会社の設立の登記の申請を同時に行う必要があります。

 

・登録免許税

(1)商号変更による株式会社設立登記の登録免許税は、本店の所在地では、資本の金額の1,000分の1.5、商号変更直前の資本金額を越える部分は1,000分の7(3万円に満たないときは、3万円)です。

 

(2)商号変更による有限会社解散登記の登録免許税は、本店の所在地では、3万円です。

 

また、100円未満の端数があるときは、その端数金額は切り捨てます。

 

例1)資本金300万円の特例有限会社を、資本金300万円の株式会社に移行する場合

登録免許税は、300万円×1,000分の1.5=4,500円ですが、3万円に満たないので3万円となります。

 

例2)資本金300万円の特例有限会社を、資本金1000万円の株式会社に移行する場合

登録免許税は、300万円×1,000分の1.5+700万円×1,000分の7=4,500円+49,000円=53,500円となります。

 


(5)合名会社から合資会社・合同会社への組織変更


合名会社は、次の各号に掲げる定款の変更をすることにより、合資会社・合同会社になることができます(会社法638Ⅰ)。

 

(1)有限責任社員を加入させる定款の変更→合資会社

 

(2)その社員の一部を有限責任社員とする定款の変更→合資会社

 

(3)その社員の全部を有限責任社員とする定款の変更→合同会社

 

※合資会社の有限責任社員が退社したことにより、当該合資会社の社員が無限責任社員のみとなった場合には、当該合資会社は、合名会社となる定款の変更をしたものとみなされます(会社法639Ⅰ)。

 

※合資会社の無限責任社員が退社したことにより、当該合資会社の社員が有限責任社員のみとなった場合には、当該合資会社は、合同会社となる定款の変更をしたものとみなされます。

 


(6)合名会社から株式会社への組織変更


■合名会社から株式会社への組織変更の概要

 

株式会社に組織変更をする持分会社は、効力発生日の前日までに、組織変更計画について当該持分会社の総社員の同意を得なければなりません。

 

●組織変更計画を作成します。

●総社員の同意を得ます。

●組織変更計画で定めた効力発生日に組織変更の効力が発生します。

●債権者保護のため公告をします。

●管轄の登記所で、合名会社の解散の登記の申請及び株式会社の設立の登記の申請を同時に行います。

●諸官庁への届出を行います(税務署、都道府県税事務所、市町村役場、公共職業安定所、社会保険事務所)。

 

■合名会社から株式会社への組織変更の登記申請手続

 

・組織変更の効力発生時期

合名会社から株式会社へ移行するための変更の効力は、組織変更計画で定めた効力発生日に生じます。

 

・登記の申請期間

合名会社が組織変更をしたときは、本店所在地では2週間以内に、合名会社の解散の登記の申請及び株式会社の設立の登記の申請を同時に行う必要があります。

 

・登録免許税

(1)商号変更による株式会社設立登記の登録免許税は、本店の所在地では、資本の金額の1,000分の1.5(合併により消滅した会社又は組織変更をした会社の当該合併又は組織変更の直前における資本の金額(当該消滅した会社が合名会社又は合資会社である場合には900万円)を超える資本の金額に対応する部分については1,000分の7)

(3万円に満たないときは、申請件数1件につき3万円)

 

(2)商号変更による合名会社解散登記の登録免許税は、本店の所在地では、3万円です。

 

また、100円未満の端数があるときは、その端数金額は切り捨てます。

 


(7)合資会社から合名会社・合同会社への組織変更


合資会社は、次の各号に掲げる定款の変更をすることにより、合資会社・合同会社になることができます(会社法638Ⅱ)。

 

(1)その社員の全部を無限責任社員とする定款の変更→合名会社

 

(2)その社員の全部を有限責任社員とする定款の変更→合同会社

 

※合資会社の有限責任社員が退社したことにより、当該合資会社の社員が無限責任社員のみとなった場合には、当該合資会社は、合名会社となる定款の変更をしたものとみなされます(会社法639Ⅰ)。

 

※合資会社の無限責任社員が退社したことにより、当該合資会社の社員が有限責任社員のみとなった場合には、当該合資会社は、合同会社となる定款の変更をしたものとみなされます。

 


(8)合資会社から株式会社への組織変更


■合資会社から株式会社への組織変更の概要

 

株式会社に組織変更をする持分会社は、効力発生日の前日までに、組織変更計画について当該持分会社の総社員の同意を得なければなりません。

 

●組織変更計画を作成します。

●総社員の同意を得ます。

●組織変更計画で定めた効力発生日に組織変更の効力が発生します。

●債権者保護のため公告をします。

●管轄の登記所で、合資会社の解散の登記の申請及び株式会社の設立の登記の申請を同時に行います。

●諸官庁への届出を行います(税務署、都道府県税事務所、市町村役場、公共職業安定所、社会保険事務所)。

 

■合資会社から株式会社への組織変更の登記申請手続

 

・組織変更の効力発生時期

合資会社から株式会社へ移行するための変更の効力は、組織変更計画で定めた効力発生日に生じます。

 

・登記の申請期間

合資会社が組織変更をしたときは、本店所在地では2週間以内に、合資会社の解散の登記の申請及び株式会社の設立の登記の申請を同時に行う必要があります。

 

・登録免許税

(1)商号変更による株式会社設立登記の登録免許税は、本店の所在地では、資本の金額の1,000分の1.5(合併により消滅した会社又は組織変更をした会社の当該合併又は組織変更の直前における資本の金額(当該消滅した会社が合名会社又は合資会社である場合には900万円)を超える資本の金額に対応する部分については1,000分の7)

(3万円に満たないときは、申請件数1件につき3万円)

 

(2)商号変更による合資会社解散登記の登録免許税は、本店の所在地では、3万円です。

 

また、100円未満の端数があるときは、その端数金額は切り捨てます。

 


(9)合同会社から合名会社・合資会社への組織変更


合同会社は、次の各号に掲げる定款の変更をすることにより、合資会社・合同会社になることができます(会社法638Ⅲ)。

 

(1)その社員の全部を無限責任社員とする定款の変更→合名会社

 

(2)無限責任社員を加入させる定款の変更→合資会社

 

(3)その社員の一部を無限責任社員とする定款の変更→合資会社

 

※合資会社の有限責任社員が退社したことにより、当該合資会社の社員が無限責任社員のみとなった場合には、当該合資会社は、合名会社となる定款の変更をしたものとみなされます(会社法639Ⅰ)。

 

※合資会社の無限責任社員が退社したことにより、当該合資会社の社員が有限責任社員のみとなった場合には、当該合資会社は、合同会社となる定款の変更をしたものとみなされます。

 


(10)合同会社から株式会社への組織変更


■合同会社から株式会社への組織変更の概要

 

株式会社に組織変更をする持分会社は、効力発生日の前日までに、組織変更計画について当該持分会社の総社員の同意を得なければなりません。

 

●組織変更計画を作成します。

●総社員の同意を得ます。

●組織変更計画で定めた効力発生日に組織変更の効力が発生します。

●債権者保護のため公告をします。

●管轄の登記所で、合資会社の解散の登記の申請及び株式会社の設立の登記の申請を同時に行います。

●諸官庁への届出を行います(税務署、都道府県税事務所、市町村役場、公共職業安定所、社会保険事務所)。

 

■合同会社から株式会社への組織変更の登記申請手続

 

・組織変更の効力発生時期

合同会社から株式会社へ移行するための変更の効力は、組織変更計画で定めた効力発生日に生じます。

 

・登記の申請期間

合同会社が組織変更をしたときは、本店所在地では2週間以内に、合同会社の解散の登記の申請及び株式会社の設立の登記の申請を同時に行う必要があります。

 

・登録免許税

(1)商号変更による株式会社設立登記の登録免許税は、本店の所在地では、資本の金額の1,000分の1.5(合併により消滅した会社又は組織変更をした会社の当該合併又は組織変更の直前における資本の金額(当該消滅した会社が合名会社又は合資会社である場合には900万円)を超える資本の金額に対応する部分については1,000分の7)

(3万円に満たないときは、申請件数1件につき3万円)

 

(2)商号変更による合同会社解散登記の登録免許税は、本店の所在地では、3万円です。

 

また、100円未満の端数があるときは、その端数金額は切り捨てます。

 

★おまけ

商号の変更はもちろんですが、目的の変更や資本金の額の増加(募集株式発行や資本組入れ)なども同時に登記することができます。